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太郎くんと次郎くんはそれぞれ通っている学校の周りを見渡しました。
(1)
太郎くんの通っている学校からは、白か黒のどちらかの一色で塗られたビルとタワーがたくさんあります。
いま、ビルとタワーについて次の3つの情報がわかっています。
・高さが50m以下であるものはすべてビルです。
・白いタワーは1つもありません。
・ビルとタワーは少なくとも1つずつあります。
このとき、次の問いに答えなさい。
①下の(a)~(f)のうち、3つの情報全部にあてはまるものをすべて選びなさい。
②次のア~カのうち、3つの情報から確実に言えることをすべて選びなさい。
ただし、ビルとタワーを合わせて建物と呼ぶことにします。
◆情報再掲◆
・高さが50m以下であるものはすべてビルです。
・白いタワーは1つもありません。
・ビルとタワーは少なくとも1つずつあります。
ア:タワーは50mより高い。
イ:50mより高いビルはない。
ウ:白いビルはタワーより高くない。
エ:タワーは必ず黒い。
オ:50mより高くて白い建物はない。
カ:50mより高くて白い建物がある。
(2)
次郎くんの通っている中学校からはスカイツリーや富士山が見えました。
下の写真はその中学校から撮ったものです。
いま、次の4つの情報がわかっています。
・写真を撮った地点の高さは22mです。
・スカイツリーの高さは634mです。
・この写真では、富士山の高さはスカイツリーの8分の5の高さに見えます。
4つの情報から富士山の高さを計算しなさい。
ただし、答えの単位はmで答えること。
@解説@
(1)①
条件に沿わないものを消していく。
・高さが50m以下であるものはすべてビルです。
⇒50mより高いビルがある、b、d、eを除外。
・白いタワーは1つもありません。
⇒白いタワーがあるa除外。
・ビルとタワーは少なくとも1つずつあります。
⇒いずれもビルとタワーがある。
残ったc・fが答え。
②
論理形式。
必ず成立することを真という。必ず成立しないことを偽という。
『Pであれば、Qが成立する』(P→Q)
Pは仮定、Qは結論といい、P→Qを真とする。
『Qならば、Pが成立する』(Q→P)
これを逆といい、逆は偽となる(必ずしも成立しない)。
『Pでないのならば、Qは成立しない』(P×→Q×)
これを裏といい、裏は偽となる(必ずしも成立しない)。
『Qでないのならば、Pは成立しない』(Q×→P×)
これを対偶といい、対偶は真となる(必ず成立する)。
◆条件再掲◆
①高さが50m以下であるものはすべてビルです。
②白いタワーは1つもありません。
③ビルとタワーは少なくとも1つずつあります。
建物の要素はビルかタワーのどちらか。
(ビルでなければタワー、タワーでなければビルの関係)
色の要素は黒か白(黒でなければ白、白でなければ黒)
①『50m以下→ビル』
①’対偶は『タワー→50mより高い』(タワーであれば、必ず50mより高い)
②白いタワーはない⇒タワー→黒(タワーであれば、必ず黒)
②’対偶は『白→ビル』(白い建物であれば、必ずビル)
③ビルとタワーの2つの建物がある。
◆検討◆
*仮定『~であれば』(矢印の左側の内容)が条件にないものは確実に言えない。
ア:タワーは50mより高い。⇒①’対偶から真。
イ:50mより高いビルは無い。
⇒『50mより高い建物であれば~』がどこにもないので、確実に成り立つとはいえない。
ウ:白いビルはタワーより高くない。
⇒②’対偶より『白い建物はビル』といえるが、『(白い)ビルであれば~』が無い。
エ:タワーは必ず黒い。⇒②より真。
オ:50mより高くて白い建物はない。
カ:50mより高くて白い建物がある。
⇒『50mより高い、かつ白い』建物の情報がない。
*②’対偶の『白い』と、『50mより高い、かつ白い』は異なる仮定。
①’と②をあわせると、「タワーであれば、50mより高く、かつ黒い」になる。
(③より、50mより高くて黒い建物(タワー)はあることになる)
ア・エ
類題をQUIZで出題したので、挑戦したい方はぜひどうぞ。
下は〔かつ・または〕を伴うド・モルガンの法則を利用する問題です。
レべルは高校生以上です。
(2)
写真でみえる高さは、撮影地点の高さ22mからみたときの高さ。
対して、『スカイツリーの高さ634m』という情報は、地表からの高さとなる。
写真で見えたスカイツリーの高さは、634-22=612m
これを⑧としたときに、富士山の高さは⑤に見えた。
写真(12km地点)で見えた富士山の高さは、〔612×5/8km〕となる。
この長さを×118/12倍すれば、撮影地点の高さから見える富士山の高さが算出され、
+22mで実物の富士山の高さとなる。
612×5/8×118/12+22=3761.25+22=3783.25m
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