2019年度 埼玉県公立高校入試問題【理科】解説

平均43.8点

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大問1(小問集合)

(1)ア  88.8%
*〔水金地火〕までは地球型惑星。〔木土天海〕が木星型惑星。
地球型は小さくて密度が大きい。木星型は大きくて密度が小さい(ほぼガスの固まり)。
地球型惑星は太陽からの距離が短いので、太陽の重力によりガスが禿げてしまった。

(2)2.5g  46.7%
*11℃の飽和水蒸気量は10g/m3。この25%が答え。
10×25%=2.5g

(3)ウ  76.9%
*イヌワラビはシダ植物。
シダやコケ、ソウ類は種子ではなく、胞子で個体を増やす。

ア:シダ植物には維管束がある。×
 コケ植物は維管束がないことので、大型のコケが見当たらないらしい。
 湿っていれば暗い場所でも育つので、光を獲得するために伸ばす必要がないからといわれる。
イ:コケには根・茎・葉の区別がない。×
 コケの根っぽいところは仮根といい、専ら体を固定する役割で通常の根とは異なる。
 コケ植物は体全体で水分を吸収している
エ:雄株・雌株は裸子植物のイメージがあるが、コケ植物にもある。×
 一方で、シダ植物には雄株・雌株の区別がない
 葉のうらにある胞子のうで胞子がつくられ、胞子が発芽した前葉体に卵子をつくる器官と
 精子をつくる器官があり、この受精で新しいシダが生まれる。

(4)赤血球  81.3%
*フルーツポンチの白玉みたいな形をしている赤血球は酸素の運搬役を担う。
血液が赤色なのは、赤血球に含まれるヘモグロビンが赤い色素をもつから。
ヘモグロビンは酸素濃度が高いところでは酸素と結合しやすく、
酸素濃度が低いところでは酸素を離しやすい性質をもっている。
酸素と結合したヘモグロビンは酸素ヘモグロビンといい、
酸素ヘモグロビンの状態になるとヘモグロビンは明るい赤色になる。

@酸素解離曲線@

ウィキブックスより、高校生物で習う酸素解離曲線。
横軸は酸素濃度。縦軸は酸素ヘモグロビンの割合。
肺のなかにある肺胞には酸素が豊富にあるので酸素濃度が高く、
酸素ヘモグロビンの割合は高くなる(ヘモグロビンが酸素をキャッチ)。
各細胞の組織(酸素の需要地)は酸素が少ないので、酸素濃度が低く、
酸素ヘモグロビンの割合は低くなる(ヘモグロビンが酸素を組織に放出する)。
また、ヘモグロビンは二酸化炭素の濃度が高いと酸素を放出しやすくなる。
(グラフでいうと青い線。組織は二酸化炭素の濃度が高い)
肺胞での赤い線と組織での青い線との差が、組織でヘモグロビンが供給した酸素の量となる。

(5)20%  56.6%
*水40g+砂糖10g=砂糖水50g
10÷50×100=20%

(6)ウ  34.2%
*塩酸(HCl)→水素イオン(H)+塩化物イオン(Cl
水酸化ナトリウム(NaOH)→ナトリウムイオン(Na+)+水酸化物イオン(OH
水素イオンと水酸化物イオンは中和反応で相殺する。
BTB溶液が青→アルカリ→水酸化ナトの方が多い。
(水素イオンはゼロ。水酸化物イオンはいくらかある)
アルカリだから、塩化物イオン<ナトリウムイオン。

(7)500秒  27.9%!(無答17.3%)
*電力量=W・t=40×55
これを4.4Wで割る。
40×55÷4.4=500秒
(誤答のなかには6.05が比較的多かったようです。
40:55=4.4:xの比例式で解こうとしたものだと

(8)イ  57.1%
*単位の問題。良問(*’ω’*)
ア:圧力P=力F÷表面積S 圧力Pと表面積Sは反比例となる
(先端が尖っているキリで穴を開けやすいのは、キリの表面積Sが小さいからPが大きくなる)
 Fが同じでSが大きくなれば、Pは小さくなる。×
イ:ジュールは仕事をする能力。熱も電気も仕事をする。
 ジュール熱Q=V(電圧)×I(電流)×t(時間)
 消費電力=W(電力)×t(時間)=V(電圧)×I(電流)×t(時間)
 電気エネルギーが全て熱エネルギーに変換されれば、2つの式はVItで等しくなる。
ウ:放射線問題は昨年にも出題されている(p_-)
  ベクレルは放射性物質がもつ放射能の強さ。シーベルトが健康被害への影響度。
 自然界の放射線を自然放射線といい、年間1人が受けている量は
 世界平均で2.4ミリシーベルトといわれている。
 500ミリシーベルトで白血球の減少、1000ミリシーベルト(1シーベルト)で
 自覚症状が表れるようなので、年間2シーベルトでは大変なことになる(;^ω^)×

 環境省より。日本の自然放射線は世界平均より少ないが、
 人工放射線の1つである医療被曝が高い。
 自然放射線と医療被曝を除き、年間1ミリシーベルトを線量限度の目安としている。
エ:抵抗値が大きいほど電流は流れにくくなる。×

ここまでで20点!

大問2(火山)

(1)かぎ層  51.9%
*記入問題で狙われるとは(;`ω´)
地層の年代を知る手掛かりとなる地層。
噴火ごとで火山噴出物の成分割合が異なるようで、
かつ、広範囲に堆積することから、火山灰の層は鍵層に利用されやすい。
(誤答は示準、示相、オゾンなどが見られた)

(2)解答例:偏西風に乗って東に流されるから。 69.2%(一部正答7.4%、無答10.1%)
*「日本付近の上空の大気の動き」といえば偏西風
関東ローム層も富士山や浅間山、赤城山などの火山灰が偏西風に流されて積もった地層。

クリーンエネルギー研究所より。地球の大気循環。
中緯度に高気圧があり(中緯度高圧帯
)、高緯度低圧帯に向かって
北半球では南西風、南半球では北西風が一年中吹いている(南半球にも偏西風がある)。
西に傾くのはコリオリの力による。

(3)イ  63.1%
*いわゆる、わんがけ法。
火山灰に水を加え、指で押して洗い、濁った水を捨て新しい水を入れる。
お米を研ぐような感じで水が綺麗になるまで繰り返した後に乾燥させる。
(誤答はウが多かった)

(4)エ  55.5%
*鉱物の特色まで記憶していたか否か…。

石英と長石が無色鉱物。それ以外が有色鉱物。
Pが石英、Qが角閃石。石英と長石が無色鉱物であることを知っていれば絞れる。
(誤答はイが多かった)

(5)①マグマの粘り気が強い  60.2%
*黒っぽい火山(玄武岩質)=粘り気が弱い=穏やかな噴火盾状火山(横に広がる)
白っぽい火山(流紋岩質)=粘り気が強い=激しい噴火溶岩ドーム(縦長になる)
火山灰Aは無色鉱物の含有率が高く、白っぽいのでマグマの粘り気が強い。

@マグマの粘り気@
二酸化ケイ素(SiO2)の含有率が高いと、溶岩は粘り気を増す。
二酸化ケイ素はガラスの主成分で、SiO4 四面体とよばれる化学結合をしている。
この四面体の数が多いと、四面体のなかに他の物質が入りこんでガチガチに動かなくなるんだと。

進研ゼミより。SiO4四面体はSi(ケイ素)を真ん中にO原子が3つの三角錐をなす。
これが各々で結合すると、O原子を隣同士で共有するので、
Si1つのあたりでは半分の2個分となるため、化学組成はSiO2となる。

②ア  52.4%
*溶岩ドームを形成する火山の例を答える。
有名どころでは、長崎の雲仙普賢岳、北海道の昭和新山
他の選択肢(桜島、富士山、三原山)はすべて成層火山
ちなみに、盾状火山はハワイのキラウエア山やマウナロア山が挙げられる。


大問3(生態系と呼吸)

(1)Ⅰ:高く、Ⅱ:低い  76.4%
*土に光を当てると温度が上昇し、乾いてくるので湿度が低くなる。

@走性@
生物が外部から刺激を受けて行う反応を走性という。
刺激に向かって動くと正の走性。刺激を避けるように動くと負の走性。
走性には刺激の種類によって、走光性(光)・走地性(重力)・走水性(水)
走流性(水流)・走電性(電気)など多くの走性に分かれる。
ミミズに光をあてると光源とは反対の方向へ這っていく。これは負の走光性となる。
実験1ではミミズを採取したはずだが、ビーカーに落ちていない(;^ω^)

(2)エ  21.8%!
*生産者は光合成をする植物。
キノコは葉緑体がないので、光合成をしない!!(`ω´)
よって、キノコは菌類に属する消費者である。


昆虫の筋肉に寄生するキノコ((( ;゚д゚))
ショキングな画像も流れるので注意。
(誤答は生産者ウが多く見られた)

(3)食物網  40.4%
*食う・食われるの関係は1本の鎖のように連鎖する(食物連鎖)だけでなく、
多様な生物同士の間で複雑に絡み合っている関係にある。これを食物網という。

(4)解答例:加熱により生物が死滅したので
 デンプンが分解されず、呼吸が行われなかったから。 60.4%(一部正答5.4%、無答8.5%)
*公式解答によると、生物が死滅した点を書けば良いらしい。

(5)解答例:2日後にデンプンが糖に分解され、4日後に糖が食べられたから。
11.7%!(一部正答16.9%、無答27.9%!)
*実験結果で最もわりにくい試験管Bの変化を説明する。
べネジクト液は糖を検出すると、赤褐色の沈殿が生じる。
ということは、〔実験直後;糖なし→2日後;糖あり→4日後;糖なし〕となる。

ヨウ素液の変化からデンプンの量は次第に減少している。
デンプンは粒子が大きいので、糖に分解されてから消費される
実験直後はデンプンが分解されていないので糖が検出しなかった。
2日後は微生物がデンプンを分解して糖が作られ、4日後に食べ尽くされたと考えられる。

(6)細胞呼吸(細胞の呼吸、細胞による呼吸、内呼吸、呼吸も正答) 40.7%
*日常用語の〔呼吸〕は息を吸って吐くことを言うが、生物学でいう呼吸は細胞呼吸を指す。
すなわち、細胞の中でデンプンなどの有機物と酸素をもとに、
生命活動に必要なエネルギーを取り出すこと。
不要物として水や二酸化炭素、アンモニアが生成される。

@燃焼と細胞呼吸の違い@
化学分野と生物分野で大きな違いありそうに思えるが、
実はどちらも有機物を無機物に分解してエネルギーを出す点では似ている。

NHK高校生物より。左が燃焼、右が呼吸。
化学反応である燃焼は一気に燃やして、強い熱エネルギーと光エネルギーを取り出す。
細胞呼吸は緩やかに反応して、ゆっくりと化学エネルギーを変換していく。
ATP(アデノシン三リン酸)はエネルギーの貯蔵物みたいなもので、
ATP内のリン酸の結合が解かれることでエネルギーを必要なときに取り出せる。

大問4(原子の質量)

(1)0.1g  72.4%
*銅+酸素→酸化銅
3回目以降の加熱から質量が変わらない。
酸化銅0.5-銅0.4=酸素0.1g

(2)2Cu+O2→2CuO  53.9%
*化学反応式。複雑ではないので書けるようにしたい。
なお、グラフでは銅:酸素=4:1となり、これが銅原子と酸素原子の質量比になる。

(3)6.15cm3(6.13、6.14も正当)  48.8%
*水を電気分解すると、水素:酸素(体積比)=2:1となる。
水素が12.29cm3なので、12.29÷2=6.145
水素の体積値が有効数字は2桁なので、小数第3位を四捨五入で6.15。
(一般的に一番小さな目盛りの10分の1を目分量で読み取る)
公式解答では切り捨てで6.14、6.14±0.01を正答としている。

(4)13.5%!!(一部正答10.6%、無答35.1%!)
解答例:2つの水分子を電気分解すると、
2つの水素分子と1つの酸素分子が2つずつ結びついている。
 酸素の質量0.008gは酸素原子の個数が②である一方で、
水素の質量0.001gは水素原子の個数を④として測っている。
原子の個数を同じ②で比較すると、水素の質量は0.0005gとなるから、
質量比は1:8ではなく1:16となる。 
*水の電気分解の式は図4の通り。〔2H2O→2H2+O2
原子の個数では酸素が2個に対し、水素は4個でカウントしている。
原子1個あたりに引きなおすと、水素の質量は半分になり、0.5:8=1:16となる。
説明がやや長くなるので厄介だが、要点は「原子の個数を等しくする」こと。
図や式を用いてもかまわないということなので、図4をそのままパクッて良いと思う。

(5)銅原子:酸素原子:水素原子=64:16:1(説明は解説参照)20.2%!
*記述を含むが、普通に計算問題だけで良かったと思うが(;^ω^)
最初の化合の実験で、銅:酸素=4:1
次の電気分解の実験で、酸素:水素=16:1
これを連比する。

これを解答欄にぶち込んでも構わない。

(6)解答例:マグネシウムと酸素を化合する  33.3%(無答30.6%)
*銅:酸素:水素の比にマグネシウムを付け加えるには、いかような実験をすべきか。
マグネシウムは燃焼すると酸化マグネシウムになるので、
酸化銅と同じく、化合の実験をすればいい。
ちなみに、〔Cu:Mg:O2:H2=64:24:16:1〕となる。


大問5(浮力)

(1)公式解答参照  25.2%!
*グラフの作成。おもり1個で2.0cm、2個で4.0cm…5個で10.0cmと比例関係。

(2)68g  17.3%!
*表2、立方体Aの空気中は浮力の影響を受けていない。
このとき、バネの長さは11.4cm。ばねの自然長(もとの長さ)は5cm。
11.8-5=6.8cm伸びている。
〔20gで2.0cm伸びる〕から、
20×6.8/2.0=68g
(誤答は118gとしており、ばねの長さをもとに計算していた)

(3)エ  22.9%!
*今年の神奈川でも出ました、浮力を絡めた密度比較問題(´゚д゚`)
アルキメデスの原理によると、浮力は物体が押しのけた液体の重さに等しい。
水の密度は1g/cm3なので、水でいえば『浮力は物体が押しのけた水の体積に等しい』。
浮力が大きければ、体積は大きいということ。

表2で注目すべきは、空気中と物体を全て水中に沈めたとき(5cmがわかりやすいかな)。
間は中途半端なので見ない。
立方体Aは0.8cm分バネが縮み、直方体Bは1.6cm分バネが縮んだ。
Aが受けた浮力を①とおくと、Bが受けた浮力は②となる。
しかし、BはAの2倍の体積なので、Aと同じ体積で比較するとBの浮力は①。
体積を等しくさせて浮力の大きさ(物体が水を押しのけた体積)が等しいということは
AとBの密度は同じ
である。

Cは途中で沈まなくなったので、水に浮くということ。つまり、重力=浮力の関係。
同じ体積であるAより重力(質量)が小さいので、密度は小さくなる。
(空気中で立方体Cは0.6cmしか伸びていない。計算するとCは6g)
まとめると…B=A>C
(誤答の多くはアかイで、密度の計算ができていなかったと思われる)

(4)ア  41.6%
*なかなか面白い問題(*’ω’*)
どちらも同じ直方体なので、最初はテコが釣り合う。
途中でY側(右)が水に沈んでいくので浮力を受ける。
Y側が軽くなるので、テコはX側(左)が下がり、Y側が上がる
X側の直方体が水面に浸かると、こちらも浮力を受けて軽くなる。
底面積が2倍広いので、受ける浮力の大きさは2倍に増える。
全ての直方体が水中に沈むと左右の浮力は等しくなるので、テコは再び釣り合う。
(誤答の多くはウ)

(5)①0.04N  11.9%!
*〔1cm沈むと0.4cm縮む〕。
バネは〔20gで2.0cm伸びる〕ので、
20×0.4/2.0=4g
100g=1Nだから、0.04Nとなる。
(誤答の多くは0.4で、浮力Nとバネののびcmの減少を混同していると思われる)

②6cm3(説明は解説参照)  4.7%!!
*立方体Cは1.0~2.0cmの途中でバネが伸びなくなり、自然長の5cmに戻った。
〔空気中;5.6cm〕→〔1cm沈む;5.2cm〕→〔□cm沈む;5cm〕
1cm沈めるとバネは0.4cm縮むので、0.2cmしか縮んでいないのは0.5cm分。
つまり、1.5cm沈めたところでCは沈まなくなる
水に浸かっている部分の体積は、2×2×1.5=6cm3

アルキメデスの原理では、浮力は物体が押しのけた液体の重さに等しい。
水の密度は1g/cm3でCは6cm3沈んでいるから、6gの浮力を受けている。
Cの空気中5.6cmから計算すると、Cの質量は6g。
原理通りに計算すると重力=浮力の関係となり、Cはきちんと浮く。
余力のある方は海城中の浮力問題をどうぞ(*’ω’*)ムズいよ

全体的に出来てなくないか?(;`ω´)
とくに最後の浮力はバテたのだろうか…。
説明問題が特徴的で、3(5)と4はやりづらさを感じる。
過去問で対策を積みたい。

 
2019年度(埼玉)数学…平均41.7点 社会…平均59.3点 英語…平均47.1点
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