2020年度 千葉県公立高校過去問・後期【理科】解説

平均59.7点(前年比-1.9点)

問題はコチラ→PDFファイル

大問1(化石)-70.8%

(1)ウ 71.1%
*岩石の分類。堆積岩ではない岩石を選ぶ。
堆積岩
河川の運搬作用を受け、湖底や海底に堆積して固まった岩石。
粒子の直径が2mm以上で礫、0.06mm以上2mm未満で砂、0.06mm未満で泥
地上にあった岩石が風化や侵食により粉々に砕かれて砕屑岩(さいせつがん)となり、
その粒の大きさによって礫・砂・泥に分けられる。
火山由来の場合は火山砕屑岩といい、火山灰が積もって固まると凝灰岩(ぎょうかいがん)。
生物由来ではサンゴの場合だとカルスト地形でおなじみの石灰岩
放散虫やケイ藻そうでは、チャートとよばれる固い岩石になる。
火成岩
溶岩が冷えてできた岩石。
地表付近で急激に固まると火山岩、地下深くでゆっくり固まると深成岩
石英や角セン岩といった鉱物の成分やその割合の違いから、火山岩では玄武岩・安山岩・流紋岩、
深成岩では斑レイ岩・閃緑岩・花崗岩に分かれる。受験生泣かせの場所ですな(;`ω´)
変成岩
中学校では習わないが、高校地学では変成岩という岩石が加わる。
これは高温・高圧力を受けて岩石が化学的に変化したもの。
泥岩がマグマの高温に触れるとホルンフェルス、石灰岩では結晶質石灰岩(大理石)に変わる。
マグマだけでなく、プレートの沈み込みや衝突から生まれた高温と圧力で変成する岩石もある。

(2)イ 96.6%
*過去問にもあったような?(‘ω’)

画像はすべて化石写真館より。左からフズリナ(古生代)・アンモナイト(中生代)・ビカリア(新生代)・サンヨウチュウ(古生代)。年代の特定に利用される化石(示準化石)でよく狙われるので、それぞれの地質年代とセットで覚えておきたい。

@デスモスチルス@

リード文のデスモスチルスは新生代を生きたカバみたいな大型哺乳類。
日本で多くの化石が発見されたが、生態の詳細はわかっていないようだ。

Galleryふぉっしるより。デスモスチルスの歯(;`ω´)
不気味に密集してますね…。デスモス=束ねられた、チルス=柱

(3)エ 54.8%
*地層が堆積した年代の特定に用いられる示準化石として適正な条件は、
①生存期間が特定の時代に限られる②広範囲に分布すること。
エは時代Ⅰのみ、かつ露頭A~Cすべてに見られる。
消去法で消していくのが良い。

(4)例;地層が堆積した当時の環境(12字) 60.6%
*示準化石とセットであらわれる用語。
示相化石は、地層が堆積した当時の環境を推定するのに役立つ化石。
サンゴの化石があれば、暖かい遠浅の海であったと判断できる。

大問2(化学反応)-65.9%

(1)水が逆流する 71.0%
*管内の熱い空気が冷やされて収縮→気圧の低下→水が逆流→温度差で粉砕。

記述でよくでてくるけど本当なの??といぶかしんでいる方はこちらの動画を見てみましょう。
水が管内へちょろっと入ると、太い試験管があっけなく粉砕する。
実験では試験管の出口を下に向けること!

(2)ウ 63.0%
*水を検知するのは塩化コバルト紙
水に反応して青→赤に変色する。

(3)イ 61.3%
*Dはすべて水に溶けたということは、水溶性が高く、水に溶けやすい。
フェノールフタレイン液アルカリに反応し、無色から赤色に変わる
濃い赤色になったということは強アルカリ性。

(4)y:2、z:CO2 68.4%
*完全解答。
炭酸水素ナトリウムを加熱分解したときの化学反応式。
反応式の暗記ではなく、係数の操作で原子の数を合わせられるかが問われている。
zに入る元素はCO2
リード文③の石灰水を白くにごらせる気体でもわかるが、加熱後の物質名はおさえておくこと。
反応後のNa(ナトリウム)はNa2CO3しかないので、反応前のNaも2個。
これだけでy=2とわかる。
2個のHはH2Oへ、2個のCはNa2CO3とCO2に1個ずつ、
6個のOはNa2CO3、CO2、H2Oに分けられ、3+2+1=6個で帳尻が合う。

2NaHCO3(炭酸水素ナトリウム;重曹)
→Na2+CO3(炭酸ナトリウム)+CO2+H2
炭酸水素ナトリウムは弱アルカリ、炭酸ナトリウムは強アルカリ。


大問3(酵素)-60.9%

(1)加熱する。 51.0%
*糖の検知に使われる指示薬はベネジクト液…だけでなく、
ベネジクト反応には加熱を要する点まで要求された。

(2)w:ア、x:ウ、y:イ、z:エ 74.9%!
*完全解答。
ヨウ素液はデンプンに反応して、薄い黄色から青紫色に変わる。
ベネジクト液は糖に反応して、青色から赤褐色の沈殿が生じる。
ヨウ素反応があればデンプンのまま。
ベネジクト反応があればデンプンが分解されて麦芽糖になった。
wとxはデンプンの話なので、ヨウ素反応を比較する試験管AとC。
yとzは麦芽糖の話なので、ベネディクト反応を比較する試験管BとD。

(3)ア 83.9%
*対照実験では、調べたいテーマ以外は条件を同じにしなくてはならない。
デンプンの分解は水の影響を受けないことを確認するため。

(4)胃液中の消化酵素-イ 45.8%
すい液中の消化酵素-エ 48.7%
*細かい知識で厳しい:;(∩´_`∩);:
胆汁は脂肪が水に混ざりやすいようにして、その消化を助ける。
肝臓で分泌、胆のうに蓄えられ、十二指腸から排出される。
小腸の消化酵素はペプチターゼ(タンパク質をアミノ酸に分解)と、
マルターゼ(麦芽糖をブドウ糖に分解)。
よって、物質Ⅰは脂肪、物質Ⅱはタンパク質となる。

胃液の消化酵素はペプシンで、タンパク質を分解する。
すい液の消化酵素はリパーゼが脂肪、トリプシンやペプチターゼがタンパク質、
アミラーゼがデンプンを麦芽糖に、マルターゼが麦芽糖をブドウ糖に分解する。
具体的な酵素の名前をすべて暗記するのは大変なので、
すい液は三大栄養素(炭水化物デンプン・タンパク質・脂肪)をすべて分解すると覚えよう。

大問4(運動)-48.1%

(1)イ 40.1%
*去年の後期試験でも物体に働く力が出題されている。 
地球上の物質には常に重力が働く。
また、台車は机に接しているので、机から台車に向かって垂直抗力が働く。
台車は運動しているが、それは最初に加えた力に由来するのであって、
運動中の物体に働いている力ではない×

(2)下記表参照 52.9%
*実験2は等速直線運動
速さが一定だから、打点の間隔も一定である。

算数や数学にでてくる”速さ”と同じで、速さが一定であれば時間と距離は比例関係にある。
打点は1秒間に50回で、テープ7cmごとに5回の打点がつくられた。
5回の打点は、1秒×5/50=0.1秒
すなわち、0.1秒ごとに台車は7cm動いたことになる。
原点から0.1秒間隔で7の倍数を結ぶ。

(3)0.5m/s 22.8%!

①0~0.1秒後②0.1~0.2秒後…
なので、0.6~0.7秒後は⑦にあたる。
5打点ごとなので0.1秒ずつ。
⑦は0.1秒で5cmだから、1秒で50cm=秒速0.5m
→0.5m/s

(4)x:変わらない 55.9% y:大きくなる 69.0%
*重力は地球が物体を引く引力に基づく。(引力-地球の自転による遠心力=重力)
台車をどのように傾けても重力の大きさは変わらない。

重力は変わらないので、下方向の矢印の長さは同じ。
斜面の角度を大きくすると斜面に平行な分力(坂の下に向かう力)が大きくなり、
台車の速さが速くなる。

大問5(生態系)-60.6%

(1)エ 90.7%
*外来生物の説明。
人の手によって持ち込まれた外来種。(外来種の対義語は在来種)
植物の外来種は帰化植物とよばれるときもある。

@生物多様性条約@
1992年の国連環境開発会議(地球サミット)で採択された生物多様性条約では、
その第8条(h)で『生態系、生息地若しくは種を脅かす外来種の導入を防止し
又はそのような外来種を制御し若しくは撲滅すること』との定めがある。
2002年に開かれた締約国会議では2010年までに生物多様性の減少速度を遅くさせる目標
(2010年目標)が立てられ、日本国内では2004年度に外来生物法が立法化された。
特定外来生物の飼養、栽培、輸入の規制や防除の実施により生物多様性の確保に努めたが、
2010年目標の実現には至らなかったようだ。

(2)ア 83.0%
*捕食者のヤマネコより、被捕食者のカンジキウサギの方が個体数は多い。
被捕食者が少なくなると、エサがなくなるので捕食者も減る。

(3)a:(生物)濃縮 33.4%
*きちんと覚えていたかな?(σ’д’)σ
生物濃縮は生体のなかで分解されず、かつ排出されにくい物質を取り込むと、
高い濃度で体内に蓄積される現象。
かつて、殺虫剤に含まれていたDDTという化学物質で大きな問題となった。

食物連鎖の過程を経ると濃度がさらに高くなり、生体に悪影響を及ぼす(´゚д゚`)
生物濃縮は水俣病やプラスチック汚染の話にも出てくる。

b:ウ 35.1%
*生物濃縮の計算。なかなか厄介(´・_・`)
数値がいやらしいので2.05ppm→2ppm、16.4ppm→16ppmとする。
【魚400g-2ppm】
【鳥1500g-16ppm】
食塩水の問題に置き換えると、体重gが食塩水で、ppmが濃度。
体重(g)×ppm=殺虫剤の量(g)
リード文にあるように、ppm(parts per million)は100万分の1を表す。
本問は鳥に含まれる殺虫剤の量が、魚のそれの何倍かを求めればいい。
すなわち、割合計算だから殺虫剤の量のさえ分かればいいので、
律儀に100万分の1をしなくても、計算しやすい百分率(%)でやってもOK。
鳥…1500×16%=240
魚…400×2%=8
240÷8=30倍
鳥は約30匹の魚を食べたことになる→ウ
その鳥を食ったらヤバイね(;´・ω・)

@別問@
渋谷教育学園渋谷中学より、DDT濃度の割合を求める問題です。

桁処理が苦しい(;´Д`)

大問6(密度)-67.8%

(1)エ 81.2%
*真ん中のへこんだ部分の目盛りを正面から見る。
50.0-23.0=27.0mL
ちなみに、選択肢の小数第1位がすべて0なのにわざわざ記載されているのは、
メスシリンダーの目盛りは10分の1まで読み取るため。

@メニスカス@
なぜ、メスリシンダーの真ん中がへこむのかというと、
水の界面張力(表面張力)で容器の内壁に水がくっつくから。
液体の界面張力によってできる曲面をメニスカスというらしい…。

(2)B→C→A 51.9%
*密度=質量÷体積。1mL=1cm3
A;24.3g÷9cm3=2.7g/cm3
B;27.0g÷3cm3=9g/cm3
C;23.7g÷3cm3=7.9g/cm3

(3)エ 65.2%
*密度を比較して液体<プラだとプラが沈む。逆だと浮く。

Eはすべてにおいて沈んだ→最も密度が大きいPETがE。
水ではDが浮いてFが沈んだ→Dがポリプロピレン、Fがポリスチレン。

(4)ア 72.9%
*物質の性質。
ア:アルミと銅は非磁性。×
 厳密に言えば強磁性体・常磁性体・反磁性体のうち、強磁性体を磁性体、
 残り2つを非磁性体という。詳しい説明はコチラを参照にしてください→磁気センサ.com
イ:どれも金属の一般的な性質。◎
 叩くと広がる展性、引っ張ると伸びる延性。金属は電気伝導性が高いと熱伝導性も高くなる。
 金属光沢もよくでてくる。
ウ:プラスチックは石油化学製品の1つで、原油を分留して得られるナフサを主な原料とする。

エ:プラスチックは原油から作られる有機物。燃焼すると二酸化炭素が発生する。

大問7(大気)-55.7%

(1)ア 51.1%
*対流の仕組み。
砂が先に温度が高くなり、熱伝導で砂のうえにある空気が温まる。
空気は温まると風船のように膨張して、密度が小さくなり、軽くなる。
上昇気流が生まれて水槽内の空気がグルグルと対流する。
地上付近では、水(海)→砂(陸)の方向に吹くので海風となる。

一方、光の当たらない夜では冷めにくい海の方が陸より温度が高くなる。
対流の向きが反対になり、陸→砂の方向に吹く陸風となる。
朝・夕で陸と海の温度差が少なくなると、風が吹かない(なぎ)となる。

(2)79% 69.6%
*水で湿っている湿球の方が乾球よりも温度が低い。
①-乾球、②-湿球
表の縦31℃、横3.0℃から、湿度は79%。

(3)季節風(モンスーン) 71.7%
*風は高気圧から低気圧に向かって吹くが、
『季節によって逆向きに吹く』点から答えは季節風となる。
季節風は、夏は海洋から大陸へ、冬は大陸から海洋へ吹く。
温度の低い方に高気圧が生まれ、高気圧から低気圧に向かって季節風が起こる。
とくに東~東南~南アジアは季節風の影響を強く受けるため、モンスーンアジアとよばれる。
(巨大な稲作地帯)

(4)例;日本列島のうえで、オホーツク海気団と小笠原気団が
 同じ勢力でぶつかり合うから。
4点-26.7%! 1~3点-7.4% 無答-20.1%
*字数指定のない記述問題。梅雨前線(停滞前線)の成因。
海洋性の冷たいオホーツク海気団と暖かい小笠原気団が列島の上空に居座り、
両者が同じ勢力でぶつかり合うと境目にある前線が停滞する。
気温の上昇から次第に小笠原気団が優勢となり、梅雨が明けて猛暑となる。

大問8(音)-50.3%

(1)音源(発音体) 80.6%
*音を発しているものを答える。

(2)ウ 43.0%
*オシロスコープの波形は、音を大きくすると振幅(上下)が大きくなり、
音を高くすると振動数が多くなって波長は短くなる。
『振動数が半分』だから、
振動数小→長波長(ウ)(=低い音)
振幅は変わらない。

(3)1190m 27.6%!
*問題文より、音の速さは秒速340m。
3.5秒差なので、340×3.5=1190m

(4)イ 49.8%
*震源の特定はたまに出題されるが、音源の特定がデタw(゚Д゚)w

1マス170mなので、音速(秒速340m)は2マス分。
Cから10マス→三平方の3:4:5を使い、P・Q・Rのどれか。
Dから17マス→DQは遠回りして11マスだから、Qは違う。
Eから13マス→△PQEは5:12:13の直角三角形より、PE=13マス
よって、スピーカーのある場所は地点Pとなる。

得点分布は台形型で、実力差がついた。
1化石できてる!◎
3(1)ベネジクト液の使用法は過半数が正解している。
(4)酵素も意外にできてる!
4前期より正答率は高いが、問題がやりやすくなったから。
力の分解の計算は、基本問題を繰り返して解法パターンを習得しておくこと。
5(3)用語より計算の方ができたのはナゼ??
8(4)スピーカーも半分が正解している!
分野別の正答率は、物理49.1%、化学66.9%、生物60.7%、地学63.2%となった。

@2020年度千葉(前期)解説@
数学…平均51.4点 社会…平均60.7点 理科…平均48.8点 英語…平均54.6点 国語…平均46.0点
@2020年度千葉(後期)解説@
数学…平均59.0点 社会…平均62.1点 英語…平均51.5点 国語…平均54.7点
その他の公立高校入試は下記の目次からどうぞです。
公立高校入試解説ページに戻る

◆menu◆ 公立高校入試…関東圏メイン。千葉だけ5教科あります。%は正答率。
難関中算数科…中学受験の要。数学とは異次元の恐ろしさ(;´Д`)
難関中社会科…年度別。暗記だけじゃ無理な問題がいっぱい!
難関中理科…物化生地の分野別。初見の問題を現場思考でこなせるか。
難問特色検査…英国数理社の教科横断型思考問題。
センター試験…今のところ公民科だけ(^-^;ニュース記事だけじゃ解けないよ!
勉強方法の紹介…いろいろ雑記φ(・・。)
QUIZ…☆4以上はムズいよ!
◆スポンサードリンク◆
株価が爆上げした『すららネット』様。


noteも書いています(っ´ω`c)
入試問題を題材にした読み物や個人的なことを綴っていこうと思います。
気軽にお立ち寄り下さい(*^^*)→サボのnote
サボのツイッターはコチラ→

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA