2020年度 千葉県公立高校入試問題・前期【国語】解説

平均46.0点(前年比-8.2点)

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大問1(リスニング)-59.4%

〔俳句の鑑賞〕

(1)ウ 76.5%
*にわか雨、霧雨、夕立あたりが判別しやすいかと。
にわか雨…急に降り出す一時的な雨。

(2)ア 71.4%
*夏井先生風に言うと、「ゆるい下駄」と「春雨」の取り合わせの是非。
しとしとと穏やかに降る春の雨のなか、宿屋から借りた鼻緒のゆるい下駄を履いて
カランコロン鳴らしながら風情豊かに奈良の街並みを心地よく散策する。
才能アリですね(σ’д’)σ

(3)エ 76.2%
*直前で『ここでも春雨が読み解くヒントになる』と言っているし、
春雨に言及しているエしかない。

(4)例:めぐみの 13.3%!!
*佐山の説明によると、天気予報では”天気が悪くなる”という表現を避ける傾向があるという。
雨で行事や部活動が中止になるなど、なにかと雨はネガティブなイメージをもたれやすいが、
『慈雨』という言葉には肯定的なニュアンスが含まれる。

慈しむ(いつくしむ)…愛情を注ぐ。情け深い。
慈雨(じう)とは、日照りが続くときに大地を潤す、めぐみの雨。
農家の人に雨はありがたいものかもしれない。
人によって雨の捉え方が違うので、天気予報ではネガティブな言い回しを避けている。

大問2(漢字読み)-54.9%

(1)は(える) 82.1% (2)たび 72.7%
(3)たいよ 21.7%! 
(4)はくらく 43.2%
*映える…美しさが引き立って見える。インスタ映え
といっても「バエル」じゃないよ!!

足袋(たび)。読めたかな?|д・)
履いたことはなくても、常識として知っておきたい。
剥落(はくらく)…剥(は)がれ落ちること。
狙ってきた感がある(^^;
剥製(はくせい)は、動物の皮を剥いで作った標本。

大問3(漢字書き)-56.3%

(1)垂れこめる 65.7% (2)耕す 79.1% (3)収益 45.5%
(4)登録 65.0% (5)針小棒大 26.2%!
*垂れ込める…雲などが低く一面に広がる。
針小棒大…針ほどの小さいものを棒のように大きく言う。おおげさに言う。
語彙力も試された。

大問4(知識問題)-62.2%

(1)イ 90.3%
*ドラゴン桜でも紹介されていた。
魚を与えれば、その人は一日を満たすことはできるが、
魚の釣り方を教えれば、その人は生涯、自分の力で満たすことができる。
“その場しのぎ”で答えの記号だけを知っても、将来のためにならない。
その場しのぎ…なんとかその場だけをとりつくろって済ますこと。おざなり

(2)例;してはいけません 64.1%
『基礎をおろそかに・・・してはいけません』
疎(おろそ)か…いい加減なさま。
解答例はうしろに禁止をつけてみた。

(3)公式解答参照 55.6%
*漢文の書き下し文。
読む順番に番号をふれば正解できると思う。

(4)いただけるとは 38.6%
*食べるの謙譲語を答える。尊敬語は「召し上がる」。


大問5(論説文)-51.3%

〔対話の意義に関するコミュニケーション論〕
(1)a:イ 86.4%
*モノローグのおしゃべりは独り言。
傍線部Aのある段落の2個前の段落。
おしゃべりのほとんどは『ただ自分の知っている情報を独りよがりに話しているだけ』。
他者の存在を無視して一方的に話す「自己完結的な世界」。
イ:自己本位=自己完結的〇

ア:思ったことを感じるままに話すことが悪いとは思わない、と最初のほうにあるが、
「相手と感情を共有する」は、相手の存在を前提とする。

@問題文より引用@(『対話をデザインする―伝わるとはどういうことか』細川英雄)
ちょっと余談になりますが、カルチャーセンターの講演会や大学の講義などでも、こうしたモノローグはよく見られます。本来、聴衆や学生に語りかけているはずなのだけれど、実際は、自分の関心事だけを自己満足的にとうとうと話している、これはまさにモノローグの世界ですね。

↑気をつけませう(*’ω’*)w

b:Ⅰ-異なる立場 50.0%
Ⅱ-伝えるための最大限の努力 51.2%
*先にⅡから埋める。
ダイアローグとしての対話とは、話す者が相手に対して〔 Ⅱ 〕を要することばの活動のこと。
2段落先、『これに対して、ダイアローグとしての対話は~』。
常に他者としての相手を想定したものだと書いてある。読み進めていくと、
『相手に伝えるための最大限の努力』をする、その手続きのプロセス(過程)が対話にはある。

Ⅰがやや厄介。
相手に伝える努力をする理由は、『相手は自分とは〔 Ⅰ 〕の他者であるから』。
ただ、文脈から何をいれるべきか察せると思う。相手は自分とは”違う他者”。
これと似た意味の5字を探す。さらに2段落先。
『言い換えれば、一つの話題をめぐって異なる立場の他者に納得してもらうため~』。

(2)エ 58.8%
*話題についても、他者がいる話題といない話題があるという。
『つまり、その話題は、他者にとってどのような意味を持つかということ
対話の進展には重要だということです』
対話の進展性に触れながら、この部分を言い換えているのがエ。
選択肢が紛らわしくアレンジされているが、キーワードを外さないこと。
Aにとって意味のある話題でも、Bにとって意味のない話題であれば、
Bにその話題をふってもBが主体的に関われない。まさに、Bのいない話題といえる。

ア:相手が知らなった話題でも、相手にとって重要な話題となる可能性はある。
イ:聞き手を満足させる話題の提供が礼儀とは世知辛い世の中ですわ(;`ω´)
ウ:話し手の熱の入りようではなく、対話の進展性は聞き手の話題に対する意義を標準とする。

(3)ウ 47.3%
*ダイアローグとしての対話行為の言い換え。
言い換えの接続詞『すなわち』の手前を読むと、異なる立場の他者に納得してもらうために語る。
他者を促し交渉を重ねながら少しずつ前に進む。
ここの『交渉』は、異なる立場にある者どうしが折り合いをつけていくこと。
ことばを通じて両者が妥協点を探って歩み寄り、相互関係を構築していく。
ウ:相手との共通点や相違点を見出す→交渉による折り合い
 互いの理解につなげていく→ことばの交渉で互いの理解という相互関係構築へつなげていく。
 本文の言い回しを変えているので、正確な内容理解が求められる。

ア:紛らわしい:;(∩´_`∩);:
 相手の関心をひく話題だけが、相手にとって意味のある話題とは限らない。
 ”意味のある話題”の中身が本文に見当たらないので、安易なイコールはNG×
 またコミュニケーションの”円滑”ともいうが、本文は角が立たないような関係作りというより、
 対話のあり方を追究してその進展性に焦点を当てている。
イ:筆者は思ったことを感じるままに話すことを肯定するが、
 その言語活動に他者が存在するか否かが重要であるという。
エ:本文の『交渉』は、契約交渉のような打算的な意味合いではない。

@インタラクティブ@
コミュニケーションの話では、ときにインタラクティブという言葉がでてくる。
意味は双方向。自分から相手へ、相手から自分へ相互的に行うこと。
ダイアローグとしての対話も一方的ではなく、インタラクティブな言葉のやり取りのなかで、
両者の合意形成をめざす行為といえる。

(4)Ⅰ-例:違いを認める(6字) 6.0%!!
*書きにくい。
対話によって相手の価値観を認めること=相手との〔 Ⅰ 〕をこと。
最後から2段落目。
『相手との対話は、他者としての異なる価値観を受け止めること』
ここをいじるしかない…。
価値観は人それぞれ。仮に他者の価値観を理解することができなくても、
そういう価値観があるのだと認め、他者と自分との差異を受け止める。
相手の価値観を受け入れることは、すなわち、自分と他者の違いを認めること。
多様性の話でもよく聞かれる。多様性を認めること=自分との違いを認めること。
(1)bⅠの解答、〔相手は自分とは異なる立場の他者である〕もヒントになりうる。
本文に細かい言及がないので、多様性についてかじったことのある生徒には有利だったか。

Ⅱ-相手の領域に大きく踏み込む 32.8%!
*対話は相手がどのようなコミュニティとかかわっているかという背景を含め、〔 Ⅱ 〕行為なので、対話を通じて相互の背景どうしが接点を持ち、相手の社会の複雑さを受け入れることになる。
先ほどの後半部分。
『(相手との対話は)コミュニティとしての社会の複数性、複雑さをともに引き受けること』
その手前では、人間関係はそれぞれの背負っている背景とつながっており、
その背景はそれぞれが関わっているコミュニティと深い関係がある、と書かれてある。
ようは、個々の関係のバックボーンには複雑な社会とのつながりがある
対話は、そういった相手の背景事情を含め、どうする行為なのか。
傍線部Bの次の段落。
『したがって、ダイアローグとしての対話行為は
(中略)他者存在としての相手の領域に大きく踏み込む行為なのです。』
相手や相手の背景を含めて相手領域に大きく踏み込み、社会の複数性や複雑さを引き受ける。

(5)エ 77.9%
*対話によって人が社会の中で学ぶこと。
相手の存在する対話を通じて、相手の価値観を受け止める。
相手の背後にあるコミュニティとの関連性を知る。
人を知り、社会を知り、他者とともに生きることを学ぶ。

大問6(物語文)-45.2%

(1)ア 59.5%
*藩主の若君である利位の学問相手に選ばれた尚七。
高額な役料の提示とともに承諾の有無を任され、手のひらが汗ばむシーン。
後ろの文、『迷っているのは、忠常の申し出に、ひどく惹かれているからだ』
尚七は身分や禄(報酬)にこだわりはないが、新たな学問への誘惑には我慢できない体質。
申し出を承諾すれば勉学に勤しめるが、その代わり、家族と別れることになるので、
その場で答えを出すのに窮する。人生の大きな決断を迫られ、緊張で汗ばんでいる。
(胸三寸…心のなかにある考え)

イ:役不足と力不足の違いはおさえておこう。
 役不足…実力に対して役目が軽い。力不足…実力不足。
ウ:本文の後半に父親が下級武士としての境遇を卑下するセリフはあるが、
 努力を評価されなかったとは書かれていない。
エ:気持ちがはやると汗ばむものだが、この段階では申し出に対する結論を出していない。
 家族への未練があり、葛藤している。

(2)ウ 59.1%
*父の葦兵衛が息子の意向を聞かずに申し出を承服し、忠常に平伏するシーン。
平伏…ひれ伏す。礼をする。
返答に悩む息子に対し、父は一早く申し出を受けいれた。
念を押されても父の横顔は変わらず、どこか真っすぐな思いが見受けられる。
それは息子の将来を思い、彼の身を忠常に預ける決断をしたから。
一度腹をくくったら突き通す。武士の父として揺るぎのない強い意思が現れている。

(3)イ 76.4%
*父が自らの境遇を卑下したセリフを聞き、尚七はにわかに熱いものがこみ上げた。
おおらかで前向きな父親だと思っていたが、実際は処世術でそう装っていたかのように感じた。
『おまえには、ずっとすまないと思っていた』
息子が学問の才に恵まれながらも、それを生かす機会を与えてやれなかった。
負い目を感じていた父の思いを知り、息子に代わって申し出を承諾した真意を理解する。
後ろの設問にもあるが、父に対する感謝の念など複雑な気持ちが芽生え、
尚七の心のなかで熱いものがこみ上げた。

(4)例:家族のことよりも息子の将来(13字)
4点-13.8%! 1~3点-12.1% 無答-37.2%
*尚七が鷹ではなく、父と同じ鳶に生まれたことを誇りに思った理由。
「…よりも…」と比較級を用いつつ13字以内の記述と、条件でガチガチに固められている。

父が最も大切に考えたのは、息子である尚七の将来。
息子の才をいかす千載一遇のチャンスを得るために、忠常の申し出を進んで受けた。
では、息子の将来よりも劣後したものとは何か。
ヒントは尚七が考えあぐねていたシーンにある。
『だが、それは同時に、家族との別れを意味する』
尚七の心情を語るところだが、父はなぜ息子が返事をためらっていたのか、
すべてを承知していたうえで申し出に応えたと思われる。

(5)Ⅰ-例:息子の学問の才能を生かす場所を与えてやれなかった(24字)
4点-11.5%! 1~3点-8.1% 無答-49.9%!
*Ⅰ:父が抱いていた負い目を答える。
(3)でみた通り、息子の学問の才を生かしてやれなかったこと。
指定ワードも『(鷹である息子が)とぶ場所さえ与えてやれなんだ』とあるので、
書きやすかったと思われる。

Ⅱ-ア 40.9%
*かかる負い目を抱えて生きてきた父親の何を見つめていたのか。
『陰影を落とす西日のためか、炭団のように黒い顔は、泣き笑いのようにゆがんで見えた』
泣き笑い…泣きながら笑うこと。
夕日の影に隠れ、はっきりと顔は見えないが、
『炭団のように黒い顔の泣き笑い』という描写には、どこか物悲しい印象を受ける。
ウ:積年の恨みというと、憎しみや怒りの感情になっていまう。×
エ:強い喪失感では呆然とした様になる。
 息子が羽ばたいていく一歩を掴み、今まで隠していた思いがポロっと出てしまった。
 今まで心の奥底で溜まっていた感情がポロっとあふれ出た。
 心がポッカリと空いた状態ではなく、別の感情で満たされている。×

ア(人生の悲哀)イ(激しい後悔)
この2択で迷うと思われる。
息子に飛ぶ場所を与えられなかったのは、自分が下級武士の生まれだから。
当時は出自によって、ある程度運命が決まってしまった。
「後悔」はあとになって悔やむことだが、自分が何かをしてして悔やんだのではなく、
自助努力では抗えない、おのれの境遇を悲哀するアが妥当といえる。
尚七は父の意外な一面を知るとともに、身分社会のやるせなさを感じたかもしれない。


大問7(古典)-37.1%

(1)おしえたまいし 68.2%
*先頭以外のハ行は『わ・い・う・え・お』に変換。

(2)のちの人 26.3%!
*『あらぬ』は連体詞で「ほかの、別の」。
入道殿のセリフで、『さきの人(前の人)』『のちの人(後の人)』と対比がある。

(3)エ 45.1%
*さきの人には、手の構え方は開けているのが良い。
のちの人には、手の構え方は閉じているのが良い。
矛盾するアドバイスをした入道殿に対し、筆者は
「その人のに対して教えを変えなさったのでしょうか」と尋ねた。
入道殿の解説では、さきの人は手が閉じていたので開くのが基本だと、
のちの人は手が開いていたので閉じるのが基本であると申したとある。
その人の特徴や性質(気質)に応じて助言を変えた。

ア:才気…すぐれた頭の働き。
イ:気骨…信念を曲げない強い心意気。

(4)イ 29.2%!
*『侍り』=あります。ございます(丁寧表現)
その事侍り→そのようなことでございます。おっしゃる通りでございます。
その人の気質に合わせて教え方を変えたのですか、という筆者の問いに対し、
それぞれの気質の違いを指摘したうえで教えを変えた、と入道殿は答えている。
つまり、筆者の考えは当たっていた。

(5)Ⅰ:例-伝え方を変える(7字)
2点-32.6%! 1点-3.1% 無答-44.6%
*入道殿は人によって教え方を変えた。
『自分の意見を相手に伝える時
』でも応用できるとするので、”伝え方を変える”。

Ⅱ:例-自分の意見に納得してもらいやすくなる(18字)
2点-17.8%! 1点-3.7% 無答-55.3%!
*設問のテーマが、”自分の意見を相手に伝える”点にあることを押さえる。
相手の気質に応じて伝え方を変える目的とは何なのか。
伝え方を臨機応変に伝えることで、自分の意見を聞いてもらいやすくなる。

大問8(自由作文)-23.9%

12点-4.0%! 8~11点-11.9% 4~7点-17.7% 1~3点-14.3% 無答-11.7%
2つの資料をもとに方言の効果を述べる。
想像の余白が広いので実力差がでやすい。

解答の構成は、①前段は地元の人々に対して、②後段は他の地域の人々に対して
どのような効果があるかを述べる。書くときは対比構造を意識しよう。

①資料1より、家族や同じ地域の出身の人に対して、
6割以上の人が「よく使う」「使うことがある」と答えている。
自分の方言はなれ親しんだ言葉。
故郷を離れた人が久しぶりに方言を見聞きしたら、子供の頃の思い出に馳せ、
ノスタルジー(望郷;ふるさとを思う気持ち)が芽生えるかもしれない。
郷土愛を喚起することで、ふるさとを応援したくなる気持ちになる。

②一方で、資料1では、他の地域出身の友人に対して方言を使わない人が半数もいない。
他の地域の人々にとって、その方言はなじみのない言葉である。
聞いたことのない言葉や発音は、その独特な特徴から印象が残りやすく、
当該地域へ興味を持ってもらえたり、地域のブランドが向上する可能性がある。

これらを資料2の活用事例に結び付ける。
書きやすいのは特産品の購買(ふるさと納税でもOK)や商業施設への訪問、観光だろうか。
なぜか同一の活用事例しか使えないので、各段の後半の内容はかぶって良いと思う。

甲州弁いいわ~( ´艸`)

 
モード&平均ともに45点と難化した。
1(4)ジウは音だとわかりにくい。参考資料から慈雨を見つけ、漢字から連想する。
2貸与の読み、3収益の書きが振るわなかったのが意外w(゚Д゚)w
とくに収益は覚えやすい音読みだと思うのだが。
4食べるの尊敬語!脇が甘いと敬語問題でやられる。
読解の短文補充問題は独特でやりにくさがある。
本文と説明文のどこがリンクするか、説明文は必ず本文のどこかをいじっている。
記述力は類語で言い換える力。苦手な人は語彙を鍛えよう。
古典の最後は内容理解のうえで、本文から離れる設問がでてきた。
無答が半数いるが、要点さえ的確につかめれば解答は素直なパターンである。
 
ちなみに、論説文は今年の鷗友学園女子中学2回目で同じものが出題されました。
 
2020年度千葉(前期)解説
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