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2019年度 千葉県公立高校過去問【前期】理科解説

平均60.6点

問題はコチラ→PDFファイル

大問1(小問集合)-80.6%

(1)ア 88.4%
*電子は-の電荷を帯びる。


空気は電気を通しにくい絶縁体なので、管内の空気を抜いて観察すると、
電気の正体である電子の存在を観察することができる。

真空状態の管はクルックス管とよばれる。

(2)深成岩 80.7%
*ゆっくり冷えるので結晶が大きく育つ。
地表で急激に冷えるのは火山岩。火山岩と深成岩をあわせて火成岩
火成岩はマグマが固まった岩石。
岩石が風化で崩されて礫・砂・泥となり、堆積すると堆積岩
岩石が地層で圧縮され、高い圧力と温度で化学変化(変成作用)すると変成岩

(3)イ 77.3%
下のガス調節ねじをおさえて、上の空気調節ねじだけを回す。
開けるときは、上から反時計回し。

(4)生産者 75.8%
*光合成をする植物。無機物から有機物を生成する。

大問2(雲)-64.9%

(1)飽和水蒸気量 81.5%
*1m3あたりの空気に溶けられる水蒸気の量。
気温が高くなると飽和水蒸気量は上がる。
水分子は水素結合で互いにくっつく性質をもつが、温度が高いと水分子が激しく運動するので、
水蒸気(気体)の状態をより維持できるようになる。

(2)エ 65.0%
*空気は熱の出入りがない状態で膨張すると温度が下がる(断熱膨張)。
これは膨張で空気が外側に仕事をして熱を消費するから。
温度が下がると飽和水蒸気量は減少する。

(3)y:ア z:イ 75.0%
*完全解答。表の読み取り。
900hPaと700hPaの縦軸を見るだけ。

(4)イ 37.9%
*下線部bは、気圧の低下で空気が膨張してできる雲。
ア:低気圧は周囲と比べて気圧が低い。
気圧が低いと外側から空気が押される力が弱くなり、
空気の中から押される力が相対的に強くなるので、空気が膨張する。
膨張で運動エネルギーを消費して温度が下がり、露点に達すると雲粒ができる。
ウ:風が吹いて空気が山の斜面に沿って上昇すると、
標高が高い場所に向かうので、気圧が下がり膨張。
エ:空気が熱せられると膨張して軽くなって上昇する。
上昇した空気があった空間を埋めるべく、周囲から空気が入り込む。
上昇気流の流れができることで、上空にいった空気は気圧の低下で膨張する。

イ:しめった空気が地表付近で冷やされる→

大問3(電気)-47.9%

(1)40Ω 75.9%
*図2のaで、4V-0.1Aの交点を通るから、
オームの法則より、4V÷0.1A=40Ω

(2)ウ 78.4%
*計算不要。
直列はどこも電流の大きさが一緒。
並列は合流するI4の方が電流量が大きい。

(3)a:公式解答参照 16.2%!
思考問題。ブラックボックスの中にある抵抗器の位置を求める。

初期状態。ありえる場所は6ヶ所。

電圧を加えて電流が流れなかったところは何もない。×印をつける。

PR間が最も電流量が少ない。
ということは、2つの抵抗を経由したので、
PR間には何もない。×

抵抗値はX>Yなので、最も電流が多く流れたRS間にY、
PS間にXを設置する。

b:X-ウ、Y-エ 21.1%!
*完全解答。前問の攻略が土台。
Xだけ電流が流れるのはPS間で0.15A。
3V÷0.15A=20Ω
グラフでは、15Ωと25Ωにはさまれる抵抗器cとなる。

Yだけ電流が流れるのはRS間0.30A。
3V÷0.3A=10Ω
グラフでは、最も傾く抵抗器dとなる。
抵抗値が小さいほど電流が多く流れるので、傾きは急になる。

大問4(酸とアルカリ)-56.2%

(1)ウ 57.7%
*塩酸+マグネシウム→水素発生。
アルミでも鉄でも亜鉛でも発生する。
水素は最も軽い気体。軽いということは密度が小さい。

ア:二酸化炭素 イ:塩素や硫化水素、アンモニアなど。
エ:可燃性の水素、助燃性の酸素。
水素は爆発するが、『ものを燃やす働き』は酸素。

(2)エ 79.2%
*BTB溶液の反応。
酸性-黄 中性-緑 アルカリ性-青
水酸化ナトリウム水溶液はアルカリ性で、
塩酸との中和反応で次第に中性となり、塩酸の量が上回ると酸性に変わる。

(3)a:w-水素イオン x-水酸化物イオン y-水 36.5%
*完全解答だが易。
酸→+(水素イオン) アルカリ→OH(水酸化物イオン)
これらが結びついて、H2O(水)となる。

b:NaCl 51.2%
*中和反応では、水とえん;しおじゃないよ!)が生じる。
塩酸と水酸化ナトリウムの化学反応式は、
HCl+NaOH→NaCl+H2
この場合の塩(えん)は塩化ナトリウム(塩しお)となる。
化学式で記入すること!

大問5(植物)-74.2%

(1)イ 98.1%
*ヨウ素反応。
ヨウ素液は薄い黄褐色だが、デンプンに反応して青紫になる。

(2)ウ 72.3%
*ほぼ読解問題。
光が当たっている→光合成によるCO2使用量>呼吸によるCO2排出量
光が当たっていない→呼吸だけでCO2排出。

(3)蒸散 85.6%
*葉っぱの裏側に多い気孔から水分を排出する。
目的は体温の調節や水の運搬。
葉っぱから出すことで、根から吸った水を上に上げる)

先生のための教材画像より。
タラコくちびるみたいな孔辺細胞が開閉して蒸散量を調整する。

アマゾンのほうでは森林伐採が進んだことで、降水量の減少を招いているそうだ。
理由は、植物の蒸散作用により、上空に水蒸気が供給されて雨が降るから。

無論、降水が少なくなれば木々の減少は早まる。
蒸散は陸と空を結ぶ、大切な水の循環経路。

(4)エ 40.6%
*植物がないバージョンで試している。
対照実験でウを選びたくなるが・・・実験1で使用済みの袋を使っているのがポイント。
袋に問題がなかったかどうかを調べている。
気体の割合より、時間が経っても値が変化しなかったことが大事。

大問6(力学)-61.3%

(1)a:v-比例 w-フック 75.6%
*過去問にもでてる。
バネをひっぱった力に比例してバネがのびる。
フックの法則はバネ以外でも、例えば、水面に浮かんでいる物体を無理やり押し込み、
手を放して浮き沈みする上下運動にも適用できる。
(バネと一緒で、元に戻ろうとする復元力が働く単振動)

b:x-2、y-2 68.5%
*完全解答。
グラフからAはおもり1つで1cm、Bは1.5cm伸びる。
方程式をつかわなくても、ばねののびを5cm(整数)にするには、
Bをひとまず2つ用意して、残りの2cm分をAで調節すれば、
AとB2個ずつで伸びが5cmとなる。

(2)a-エ 70.9%
*水圧は物体のどの面、どの点においても垂直にかかり、
その大きさは水深に比例する。
下にいくほど矢印が長くなるaが正解。

b-重力と浮力の合力の大きさ 4点-29.3%! 1~3点-1.4% 無答-9.2%
*ばねののびが変化しなかったということは、
2cm沈めたときには既におもりの全てが水面下にあったということ。
力関係であれば、ばねがおもりを引っ張る力は〔おもりの重力-浮力〕で決まるので、
おもりの重力と浮力の合力(合計)が、2cmと4cmのときで変わらなかった。

大問7(化学反応)-49.3%

(1)①質量保存 87.4% ②ア 68.6%
*化学変化において、反応前後で質量の総和は変化しない法則。
フランスのラボアジエが発見。
理由は②の通り、原子の結び方だけが変わるから。

(2)①公式解答参照 4点-22.3%! 1~3点-12.3% 無答-9.8%
*反応前後の差をプロットする。
炭酸水素ナトが1.0gのときは、96.0-95.5
2.0gのときは97.0-96.0・・・とやっていくと、
公式解答のように気体が1.6gのところまでは比例で、あとは水平。

②2.8g 12.5%!
*塩酸がなくなるのは、炭酸水素ナトリウムが何gのときか?
グラフの転換点のx座標を求める。
炭酸水素ナト2.0gのときに気体は1.0g発生するので、
2.0×1.6/1.0=3.2g
炭酸水素ナト3.2gのときに塩酸がなくなる。
よって、残った炭酸水素ナトは、6.0-3.2=2.8g

大問8(遺伝)-64.2%

(1)対立形質 49.0%
*どちらか一方しか現れない形質(個体の形や性質)をさす。
対立形質には、現れやすい優性と現れにくい劣性がある。

(2)①v:ウ、w:オ、x:エ、y:ア、z:イ 63.2%
*完全解答(yとzは順不同)。内容は教科書の基本レベル。
純系赤はAA、純系白はaa。

  A  A
 a  Aa  Aa
 a  Aa  Aa

交配させると全てAa。
yとzは『生殖細胞』なので、Aaの『A』と『a』が答え。

②染色体の数は半分になる。 60.5%
*オス細胞の染色体が減数分裂で半分になり、メス細胞も半分になり、
半分になったもの同士がくっつく。
『生殖細胞の染色体の数』はもとのオス・メス細胞の半分。

③ウ 84.0%
*ここも典型的なメンデルの法則。
世代を繰り返していくと、AA:Aa:aaの比率は、
孫-1:2:1(優性Aと劣性aでは3:1)
ひ孫-3:2:3(5:3)
玄孫-7:2:7(9:7)・・・
と、次第に劣性であった形質をもつ個体の割合が増えていく。
有性生殖の強みは多様な種がでてくることで、環境が変化しても全滅リスクを抑えられる点にある

大問9(天体)-50.6%

(1)地球型惑星 63.7%
*体積は小さいが密度が大きい惑星。水金地火。
体積は大きいが密度の小さい惑星を木星型惑星という。木土天海
地球型惑星は岩石や鉄、木星型惑星はガスで主に構成されている。
木星と土星は水素とヘリウム。天王星と海王星はメタン。

@太陽系最大の惑星・ジュピター@

分厚いガスの層で覆われており、その下は液状の金属水素なるもので満たされて陸地がない
右下のおどろおどろしい赤い目は大赤斑(だいせきはん)で、凄まじい風速の嵐が渦をなしているという。

NASAより、木星を下から眺めるとこんな感じ。
ちなみに、地球型惑星のガスは太陽の強力な放射で吹き飛ばされたそうです。

(2)エ 57.8%
*頻出の判定問題。

金星をこんな感じで眺める。針金みたいなのが観測者。
地球の自転から朝・夕を判定。日が沈む夕方となる。
方位は北極が北を手がかりにすると、西の空になる。
宵の明星は夕方西の空。明けの明星は朝方東の空。

(3)イ 43.5%
*ここも頻出。

太陽の反対側にあたる金星の半分を黒く塗る。
観測者の視点と垂直な線分を作図。
観測者からすると右側の多くが光って見える。

(4)イ 37.3%
*差がつく問題。
x:公転周期は地球1年、金星0.62年(金星は内側をまわるので速い)。
同じ時間で考えたとき、進む角度の速さは逆比で、
地球:金星=0.62:1
地球が0.62°まわると、金星は1°まわる。
1ヶ月で地球は30°まわるので、金星のまわる角度は、
30×100/62=3000/62=48.3… → 48°
y:1ヶ月あたり、
地球は30°、金星は48°、同じ方向に動く。
1ヶ月間で48°-30°=18°、地球と金星の角度が縮まる。
今、2つの天体は90°離れているから、
90÷18=5ヶ月後に、金星は地球に追いつくことになる。

2019年度(千葉)前期
数学…平均54.5点 社会…平均56.6点 英語…平均53.6点 国語…平均54.2点
2019年度(千葉)後期
数学…平均61.0点 社会…平均65.8点 理科…平均61.6点
英語…平均61.9点 国語…平均59.2点
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