2019年度 千葉県公立高校入試問題【後期】国語解説

平均59.2点

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大問1(リスニング)-78.3%

(1)エ 解答時間18秒  83.0%
*下手に考えすぎると混乱する(´゚д゚`)
「二人の言う通りだね」と同意したうえで、自分の取材結果を開陳している。
その際、小松菜には栄養価があるという友人の意見と結び付け、
小松菜の料理も紹介しようと新しい提案をして、話し合いを進展させている。
迷ったら消去法がいいかな?

(2)ウ 解答時間18秒  91.9%
*「何のために話し合っていたか考えよう」
→テーマとズレた話し合いの軌道修正。
小松菜の保存方法なんぞ、どうでもいい。

(3)イ 解答時間15秒  79.4%
*スーパーや栄養士さん。農家や商店街のかたといった、
森山町の人々の願いが述べられている。

(4)ウ  58.7%
*里中の取材メモを読むと、「無農薬なので手間がかかる」とあるが、
その理由が書かれておらず、取材漏れがある。
また、河合や山田は取材対象者の主観的な考えや思いに触れているが、
里中だけ客観的な情報ばかりで、小松菜農家の考えに触れていない。
手間がかかるにも関わらず、無農薬にこだわる理由には小松菜農家なりの願いがあるはず。

大問2(漢字読み)-76.9%

(1)就く つ(く)  96.2%
(2)遡る さかのぼ(る)  78.2%

(3)万端 ばんたん  73.0%
(4)粉骨砕身 ふんこつさいしん  60.0%
*粉骨砕身…骨を粉にして身を砕くほど頑張ること。

@刑罰不遡及の原則@
サボテンをむしり取って、食べてたとします。ŧ‹” (๑´ㅂ`๑)ŧ‹”
ところが30年後、サボテンは稀少なので食べる行為を罪とする法律ができました(ll゚艸゚ll)
このとき、新しい法律の効果が30年前の出来事にまで及んでしまうと、
適法だと思っていたのに思わぬ不意打ちを受けてしまいますよね。
そこで憲法39条では、刑罰法規は過去に遡って適用できないと定めています。
これを刑罰不遡及の原則(もしくは事後法の禁止)といいます。

大問3(漢字書き)-62.6%

(1)謝る  81.5%  (2)厚み  89.3%
(3)操縦  55.1%  (4)鉄筋  35.3%
(5)親孝行  52.0%
*(1)”誤る”じゃないよ!謝罪の例文。
(5)【孝と考】の字を取り違える人もいる。
【孝】は親を大切にする道徳心を表す。

大問4(物語文)-68.8%

狩野派の巨匠、狩野永徳の幼少時代を描いた歴史小説。

↑これ描いた人ね(‘Д’)
なかなか興味深い内容(*’ω’*)w
(1)イ  88.9%
*日食を待ちわびる源四郎に、誰も話しかけなくなった理由を問う。
『職人たちや使用人たちも呆れ顔を隠さなかった』
『松栄も苦々しい顔を浮かべて』小言を向けるようになる。
日中にずっと縁側に座り続ける源四郎に、周囲はうんざりしている。

(2)ア  84.7%
*『日食を待っておるのか』と祖父の投げかたのに対し、
源四郎が心の中で『いや、違う』と反駁した。
反駁は注釈を参照。「他人の意見や攻撃に対して論じ返すこと。反論
うしろに『わしが待っているのは、日輪が本来の姿を現すその一瞬だ』と、
源四郎の真意が述べられている。
周囲からは日食を待っているだけと思われているが、真の目的は別にある。
祖父ですら自分の真意を理解せず、心の内で抵抗=反駁した。

イエ:祖父が自分の真意に気づけなかったことについて、
 幻滅やいら立ちは本文で触れられていないので、余計な要素になる。

(3)絵を描くと  83.1%
*日食を待っている状況が、源四郎にとって絵を描いていることだという。
筆も持たずに何のこっちゃな話だが、すぐ後ろに言及がある。
『絵を描くときに湧き上がってくる衝動、予感、確信、
これらの想いをひっくるめたものが、絵を描くということだった』。
賢者は言うことが違うね(σ’д’)σ

(4)ウ  77.8%
*筆を動かさずに待っているときが絵を描いているときだという源四郎に対して、
祖父の元信は、はっ、と破顔(顔をほころばせる)する。
『よかろう。そういうことならば、やりたいようにやってみるがよいぞ。
―お前の見た天地を描いてみせい』
表情を緩ませてこう言ったということは、源四郎の絵に対する心意気を好意的に受け止めている

ア:理路整然が×。源四郎は『自分の心のままを口にした』。
イ:祖父の立場として孫に『いじらしさ』(可愛らしさ)も感じたかもしれないが、
 元信への反抗と取られても仕方ないのに、祖父自らが手がけた粉本を未だに見ず、
 粉本を見ても『絵を描いている気分にならぬのです。
 少なくとも、わしがわしの手で絵を描いている気分にはなりませぬ』と
 子供ながらも大口を叩く源四郎に、自己を貫く姿勢や覚悟を元信は評価している
 孫のいじらしさより、絵師としての信念を全うする頼もしさに焦点を当てたウが正答となる。

(5)エ  70.4%
*元信が去った場は、『空気の抜けた紙風船のようであった』。

張り詰めていた紙風船がシワシワになってショボンと萎んだ感じ(›´ω`‹ )
緊張して気を張っていた状態から一気に力が抜け、脱力した様子を表している。

イ:反駁はあったが、元信と論争をして言い負かしたわけではない。
ウ:これもそれっぽく書かれてあるが、『気難しい元信』がひっかかる。
 手を動かさずに待っているときこそ絵を描いているときだとする自分の信条は
 誰にも理解できないものだと源四郎は決めかかっていた。
 元信も周囲の者と同じく、源四郎はただ日食を待ちわびているだけと考えていたが、
 気難しい人間であれば、『やってみせい』と自分の信条を受け止めてくれるような
 素振りはみせないはず。

(6)Ⅰ:日輪が本来の姿を現すその一瞬  59.6%
Ⅱ:解答例)粉本にはない、自分なりの太陽(14字)
4点-14.1%! 1~3点-6.6% 無答-35.9%
*最後の一文、『ひたすらに待っていた。日輪が、日輪の本性を出すであろうその一瞬を』
と倒置法が使われた表現から読み取れる内容を問う。
Ⅰ:源四郎が待ち続けていたもの。
 傍線部Bで『いや、違う』と心の中で反駁した後ろの文に書かれてある。
Ⅱ:源四郎が、Ⅰに立ち会うことで捉えようとしていたもの。
 キーワードから書くべき内容は察せるはず。
 他人の真似事ではなく、自分の目で見て得た、自分流の太陽を捉えたかった。

大問5(説明文)-52.3%

16歳までに本をよく読んでおかねばならんといわんばかりの残念なお知らせ(*’ω’*)w
大人には大人の読み方がありますが、子どものときにしかできない業は致し方ないもの…。
イェール大に息子をいかせた母親も物語を読み聞かせたあとに、主人公が別の道に行ってたら?
物語が続くとしたらどう展開するか?と母子でアナザーストーリーを話し合っていたそうです。
(1)②  72.4%
*国文法。格助詞【の】の用法。
②以外は、【の】を【こと】に変換できる(準体助詞)。
①『十五、十六歳ということが』③『読むことがふつうです』④『集中が可能なことは』
②『おとなそれ(=本の読みかた)』は、誰の何なのかを説明する連体修飾語。

(2)読んだ  47.6%
*国文法2。『、何かで、ほんとうに人をつくるのは十六歳までの読書だという意味のことばを読んだ覚えがあります。』
昔がかかる言葉は、【昔に何をやったのか】。〔昔→読んだ〕

(3)ア  60.1%
*本の虫の集いで幼少期の自分たちの頃を話していたとき、
「本を読んでいると呼んでも返事をしない」と親に叱られた経験が話題になり、
ある
一人が「だって〔 B 〕なんだもの!」と言った。
手前の段落に目をやると、子どもは『主人公と完全に一体化して読む』。
物語世界への没入度が高く、主人公になりきって、
すっぽりと物語世界の中に入り込むことができる
『それこそどこにいるかも、自分が何者かも忘れてしまいます』。
物語の世界に行ってしまった。だから、「そこにいない」。

(4)「みたて」や「つもり」の天才  34.6%
*イギリスの児童図書館員アイリーン・コルウェル氏が
子どもたちと親しくなるきっかけに持っていったおさるの指人形を出して、
このおさるはお腹がすいていると言うと、ある子供がバナナを差し出した。
これが何を現す具体例か。手前の段落。
『子どもたちは、「みたて」や「つもり」の天才です』
カギカッコも1字でカウントする。
具体例の前後には筆者の主張が隠れている

『何かになったつもりになれる力』も14字だが、
「子どもたちは〔  〕である」と挿入する前後の文にそぐわない。
『主人公との完全な一体化が可能』も14字で迷った人がいたかもしれない。
内容は関連するので紛らわしいが、主人公との一体化は本を読んでいるときであって、
オサルの例は本を読んでいないときの話である。

(5)イ  65.8%
*主人公と一体化できる子どもたちは、「物語を生きる」ことができる。
生きられた物語は、『子どもの中に深い刻印を残し、いわば子どもの精神世界の
骨格となり血肉となって、のちのちまで長続きする影響を与えます
』。
子どもたちの今後の人生の糧になりうる物語を選べばいい。

ウ:『作中人物への共感や反発をおぼえながら』読むのは、批判能力を持つ大人の読み方。

(6)Ⅰ:イ   67.8%
*大人の読み方の特徴を問う。
最後の段落、『読んでいるあいだ、たえず「読んでいる自分」の意識があり、
夢中になりつつも、どこかに批判的な見方が働いています』。

選択肢が紛らわしい(´゚д゚`)
受け身ではないので受動的(ウ)は×。
客観的(エ)は自分の主観
を排して、一般的な立場で物事を見ること。
『読んでいる自分の意識』は、まさしく自分本位の見方。
よって、客観的ではなく、主観的(イ)となる。

主体的(ア)との違いは、主観的は見方や見地、立場の話であり、
主体的は自らが進んで行動をする意味合いを含む
本文は、読んでいる自分の意識(見方)で本を読むのが、大人の読み方の特徴だとする。
言葉の判定を伴う、なかなか良い問題ですな(‘ω’)

Ⅱ:解答例)精神世界で、人をつくっていく基本的な土壌になる(23字)
4点-13.5%! 1~3点-16.6% 無答-43.2%!
*子どもが読書を通じて得た経験が、どのような意味において特別なものであるか。
字数に幅はあるが、指定語句がない。
主人公と一体化できる子どもたちが読書で得られる効果を述べているところを探す。
(5)傍線部Dの次『生きられた物語は~』。
公式解答「精神世界の骨格や血肉となり、長く影響を与える」はここをまとめている。
サボの解答例は、一文目『ほんとうに人をつくるのは十六歳までの読書』、
最後の一文『十六歳までの読書だけが、ほんとうにその人のものになるのだ』
から、読書が人をつくる基礎的な素地作りを担うことを意識して書いた。

(7)イ  56.2%
*内容正誤。
ア:大人の読み方がダメとはいっていない。×
 子供と大人では読み方に質的な違いがあり、両者の優劣はしていない。
イ:16歳までの読書が人をつくるという考えを提示し、
 図書館の仲間たちとの話し合いやコルウェルから聞いた話をもとに
 論を展開して考えを深めている。〇
ウ:年齢による読書の質的変化を問題視し、それを解決しようとはしていない。×
エ:子どもの読書こそ真の読書であるとは訴えていない。×
 自分の世界観を持つ大人と違い、物語の世界に没入できる子どもでしかできない
 本の読み方がある。そして、子どもの読書は人格形成に大きな影響を与える。

大問6(古典)-46.7%

(1)かわりたまいて  87.5%
*お決まりの変換。
先頭以外のハ行はワイウエオに変える。

(2)ウ  48.4%
*後ろ、旦那は常にお寺に来て、養叟和尚に部強を学んだりしましては、
『一休の発明なるを心地よく思ひて』、ときどき冗談を言って問答などをした。
利発的で賢い一休を心地よく思い、冗談を言い合う仲であった。

(3)エ  83.3%
*本文の内容理解が問われる。
一休のことを良く思っていた旦那が、皮のはかまを着てやってきた。
一休が門の外でちらっと見て、中に走り、薄い木の板にこう書いた。

この寺の中では皮の類(たぐい)は固くきんぜいである。
もし、皮物をいれる時は、その体に必ずばちがあたるだろう。

旦那はこれを見て、「皮の類にばちがあたるとすれば、このお寺にある(皮でできた)太鼓は
どうなさるおつもりか」と言う。一休はこれを聞いて、
「だからですよ。夜昼三度ずつばちがあたるので(間=ので・ゆえに)、その方へも太鼓のばちを
あてましょう。皮のはかまを着られているので(ほどに=~ので・から)」とおどけて言った。

旦那が着ている「かはばかま」、ばちがあたる、太鼓が皮でできていることから、
板に書かれている内容は、皮を寺に持ち込んではいけない→禁制と連想する。

4)Ⅰ:たはぶれをいれて  13.3%!
*作品鑑賞の意見交換。あまり正答率は高くなさそう(;´ω`)
旦那がわざと「かはばかま」を着て来たと考える理由を、旦那の一休に対する態度から探す。
たはぶれ→戯れ(たわむれ)=冗談
冗談を言い合う仲だからこそ、わざと皮の袴を着て一休を試したと考えた。

Ⅱ:ばち  42.8%
*一休が二つの言葉を込めるために、わざと平仮名で書いた言葉。
ばち(罰)があたる。太鼓のばち(撥)。

Ⅲ:解答例)とんちで返した(8字)  4.9%!!
*一休さんといえば、とんち。
旦那を一瞥(いちべつ;ちら見)しただけで、そそくさと書き上げた。
一休は機知に富んだ返しを見事にやってのけた。
字数制限が厳しいので、表現の幅は狭まる。

大問7(自由作文)-24.7%

10点-8.4%! 6~9点-12.6% 1~5点-22.9% 無答-11.0%
「転石苔を生ぜず」という言葉は本来、
【A:一ヶ所に落ち着つかない者は成功しない】
という意味で用いられていたが、次第に、
【B:絶えず活動している者は新鮮である】
と別の意味でも用いられるようになった。

AとBのいずれかを選んだうえで、「苔が生える」ことについて
どのようなことを意味しているかがわかるように説明し、
それに関わる自身の体験(伝聞でもOK)を述べる。
聞いたことのない言葉で、想像力が問われる(´ω`).。0

Aであれば、苔を肯定的に捉える。
同じところに留まることで構築される長期的な信用・信頼関係(苔)。
Bであれば、苔を否定的に捉える。
絶えず動くことで古びた価値観(苔)にとらわれない、新しく洗練された身になれる。

書き方の指針としては、Aは同じ場所で地道にコツコツと積み上げて大成する。
Bは活動の場を別のところに移転させ、新天地を切り開いていく。

@@@
調べてみたら、どうやら元ネタは英語らしい。
A rolling stone gathers no moss.
苔は快く思われなくなったのだろうか?(‘ω’)
時代とともに逆の意味を持ち合わせてくる現象は日本語と同じですね。

サボはあまり小説を読んでこなかったので耳が痛い(;^ω^)
2022年度から適用される新指導要綱では、高校の現代文が論理国語と文学国語に分かれるようで、
文学離れの懸念が指摘されている。AIの時代に突入するからこそ文学は大切だと思うのだが。。

2019年度(千葉)前期
数学…平均54.5点 社会…平均56.6点 理科…平均60.6点
英語…平均53.6点 国語…平均54.2点
2019年度(千葉)後期
数学…平均61.0点 社会…平均65.8点 理科…平均61.6点 英語…平均61.9点
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